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国際式ローマ字による日本語転写法


 アメリカ連合州の出身で明治学院 大学の創設者 でもあるジェームス・カーティス・ヘップバーンJames Curtis Hepburnが英語の発音に沿って、日本語のラテン文字転写法であるヘボ ン式ローマ字を作っ た。ヘボンとはヘップバーンのなまりである。また日本独自のローマ字として田中舘愛橘の日本 式ローマ字やそれを 簡略にした訓令 式ローマ字がある。 しかし日本式や訓令式はほとんど使われておらず、もっぱら使われているヘボン式も道路標識や鉄道駅名標以外は使用者の好みによって好き勝手に使用されてい るのが現状である。中には個人の主張により英語の発音を標準にしない転写(「き」が「ki」ではなく「qui」など)がなされる場合もある。

 これは日本語はあくまでも漢字仮 名交じりで書くものであるから、それほどローマ字の正書法が求められていないことが原因である。これは当然のことで、日本語は本来としてラテン文字で書か れるべ き言語ではない。アジアの言語でラテン文字を採用しているマレー語、トルコ語、ヴェトナム語などは、元来それぞれアラビア文字、漢字といった言語体系の違 う言語から文字を流用していたために不都合が生じていた。例えばトルコ語では、アラビア文字は母音が3つしかないのにトルコ語では母音が8つもあったり、 などである。こういった特殊な言語事情ではラテン文字の採用はやむを得ない。しかし日本語は平仮名や片仮名の使用で全く不自由していないのであるからラテ ン文字で文章を書かねばならない機会も、正しく表記する必要もそもそもないのだ。ましてや日本語の和漢混淆文を廃してローマ字で表記せよ、というよう な考えは合理性のある意見とは思えない。それによって得られる利便は少ないだろう。

 だから現状のようにいろいろな ローマ字の方式があってその中から選べるのは、新生児の命名の時にいろいろと自由に考えることができるし、自分の名前をどう表記するかを考えることができ て楽しいことだ。しかしそうはいってもローマ字転 写法の一定の基準があると嬉しい。しかしその基準を英語の発音に頼るヘボン式ローマ字には問題があると考える。確かに英語は世界で多く流通しているけれ ど、も しローマ字が英語向けの転写法になってしまえば日本が英語帝国主義の一端を担っているという批判は免れえないし、日本人自身にも「英語は世界中の全員が話 している言語だ」という錯覚を生んでしまうだろう。そういったことは日本人の対外姿勢や世界観に無知と偏見を与える危険性がある。しかし英語やアメリカ連 合州の文化 に慣れ親しんでいる日本人にとって従来のローマ字転写法は棄てがたく思われる。そこで例えば英語のアルファベットにあり、従来のローマ字にも使用されてい る「y」「j」「w」について考えてみよう。

「Y」 と「J」

 ヤ行の音を表す子音といえば「Y」であるが、この 「Y」はもともとラテン語では使われていない文字であった。これはギリシャ語の「Y(ウプシロン)」から来た文字である。かのユリウス・カエサルがラテン 語でIulius Caesarと書かれるようにヤ行の子音はもともと「I」で表記されていた。そ もそも「J」という文字も古代のラテン語には存在せず「I」だけで母音「イ」と半母音「ヤ行」の両方が表記されていた。そして後世、母音を「I」で、半母 音を「J」で表記するようになった。こうしてIulius CaesarがJulius Caesarになり、それが英語になまるとジュリウス・シーザーとなる。だからヤ行を表すのにはギリシャ語から借用した「Y」よ りも「J」の方がラテン文字起源で身元がはっきりしている。それを証拠にドイツ語、チェコ語、イタリア語、オランダ語、スウェーデン語、デンマーク語、 フィンランド語、ポーランド語などでは「J」はヤ行の子音として使われている。その一方で「Y」 をヤ行としている言語は英語、スペイン語、フランス 語、トルコ語、インドネシア語などと二分されている。「Y」をヤ行で読むことは必然性のあることではない。

「W」

 日本語でワ行を表すのは当然「W」であるかのように思われ る。しかし「W」をダブリュー、「二つのU」と呼ぶようにこれはもともとのラテン語に無い字であった。そもそも「U」という字も古代ラテン語にはなく、 「V」で表記していた。だから「W」は「V」が二つ合わさったような字なのだ。この「W」を使っている言語は少なく、あってもイタリア語、フランス語、ス ペイン語、ポルトガル語などでは「W」の使用はドイツ語や英語などの外来語を表記する場合だけという特殊な使用をしていて定まった読み方は無い。言語とし て「W」を持っているのは英語、ドイツ語、オランダ語、 ポーランド語、インドネシア語くらいなもので、そのうち英語のようにワ行として使っているのは英語とインドネシア語だ けだ。だから日本語の「わ」を「wa」と表記するのはラテン文字としては特殊な使用であると言える。

 このようにヘボン式のような英語 をもとにしたローマ字表記、転写法には英語としては正しいのかもしれないけれど、少なくともラテン文字を主に使用するヨーロッパの言語事情にとって何ら普 遍性を持つもので はない。だからローマ字転写法が英語を基準とするヘボン式に依存する必要はないのである。かといってどこのラテン文字使用言語にも適合しうる普遍的なロー マ 字転写法は存在し得ない。

 またヘボン式では「し= shi」、「ち=chi」、「つ=tsu」といった表記は子音が2つあり、促音になった際に
「こっち kochchi」や「こっちkocchi」
 と表記すれば読みにくいし、ヘボ ン 式のように
「こっち kotchi」
 と表記すれば、違う読み方もでき てしまう。そのため少なくとも清音の五十音だけは子音一字に母音一字の原則を設けた方が良い。しかしこの原則を行っている訓令式では音 が正確でなくなってしまう。訓令式では「shi」の音は発音できるが「si」の音を発音するには口角を左右に大きく開いて言わなければならないなど、問題 がでてくるのだ。このように子音一字に母音一字をしようとすれば音が正確ではなくなり、音を正そうとすれば子音の数が増える。これを解決するためにはヘボ ン式と訓令式の両者 の長所を保ち、短所を廃したエス ペラント式ローマ字、 日本語で言うならば国際 式ローマ字を採用す れば良い。これは下の表を見ると単に文字数が増えるだけのように思える。、確かに増えているが、文字として書く際には文字の上に山形「^」もしくは器形の 字上符をつけ るだけでいいし、ワープロ入力する際もその「x」を入力することで字上符をつけられるようにすれば(VikipedioLernu!で使用されているX- 方式)、使用するア ルファベットのキーは24字に限られる。これに対しヘボン式で使用するのは23字であり、1字多いだけだ。これはヘボン式で使用する「Y」を使用しない代 わり に国際式では字上符のための「X」を使用しているからだ。「X」を文字ではなく記号とするならば23字になる。ただし訓令式は20字で足りるので、入力す る手間は国際式の方が多くなる。だが、入力時よりも出力時のことを考えれば国際式には上にあげたような利点がある。

 多くの人は国際式ローマ字のいく つかの字の上に英語のアルファベットには無い記号がついていることに違和感を覚えるかもしれない。そもそもヨーロッパの文字であるラテン文字で日本語を 表記することが無理な相談であって、同じヨーロッパの言語であるフランス語、スペイン語などの字にもそのような記号を使用していることを思い合わせれば、 国際式にも なんら不都合なことはない。こういった違和感は慣れればすぐに消えるものである。

 この国際式ローマ字を訓令式やヘボン式に代わる新しいローマ字転写法として見ても良いし、単にラテン文字で日本語を転写したいときに使う方式としても見 ても良い。多くの方式が波紋のように広がり干渉しあう現在の日本語のローマ字事情に新たな一石を投じただけのことである。

☆Ĉi-tio estas
maniero transskribanta kanaojn per latinaj literoj, kiu mi faris el Esperanto. *Kanaoj estas japanaj literoj.

国際式ローマ字による転写法(五十音表)
  (拗音)

a i u e o

ka ki ku ke ko kja kju kjo

sa ŝi su se so ŝa ŝu ŝo

ta ĉi cu te to ĉa ĉu ĉo

na ni nu ne no nja nju njo

ha hi fu he ho hja hju hjo

ma mi mu me mo mja mju mjo

ja
ju
jo  

ra ri
ru re ro rja rju rjo

ŭa
(ŭi)
(ŭe) ŭo
 

n

ga gi gu ge go gja gju gjo

za ĵi zu ze zo ĵa
ĵu
ĵo

da ĝi zu de do ĝa ĝu ĝo

ba bi bu be bo bja bju bjo

pa pi pu pe po pja pju pjo
●長母音は同じ母音を重ねるか、仮 名の通りに表記する。
大通り Oodoori
耕太郎 Koutarou

●一つの単語で、母音と母音が2つ の形態素にまたがって長母音化している際には間に「'」をいれる。
腐れ縁 Kusare'en
体育 Tai'iku

●撥音「n」は、「p」,「b」, 「m」の前では「m」に変える。
新橋 Ŝimbaŝi
散歩 Sampo
三文判 Sammomban

●撥音「n」の次に母音、半母音が くる場合 は「'」をつける。
原因 Gen'in
恋愛 Ren'ai
問屋 Ton'ja

●促音は子音を重ねる。
抜糸 Baŝŝi
マッチ Maĉĉi
滑車 Kaŝŝa

●大文字にするのは文頭、固有名詞 の語頭、そして名前の姓である。
相沢祐一 AIZAŬA Juuiĉi
涼宮ハルヒ SUZUMIJA Haruhi
(登 場人物が日本人のみ場合や日本国内向けの場合などでは、必ずしも 姓を全て大文字にする必要は無い)

外来語は無闇に日 本語読みにせず原綴りでイタリック体で書く。
ヴァイオリン violin
デスノート Death note


ロー マ字表記の種類
PASSPORT ヘボン式ローマ字綴方表
案 内標識のローマ字(ヘボン式) の綴り方
ヘボン式ロー マ字表(拡張案)
海津式ローマ字第2版(要約版1)
「99式」日本語のローマ字表記方式(要約)社団法人日本ローマ字会
Nippon-no-Rômazi-Sya


Barkituo
Revenu

ローマ字国字論